2020年度入試を終えて

大村校 藤原 敏紘

今年の適性検査問題における入試傾向は例年とあまり変わらなかったように思われます。

ただ、昨年と異なったのは、合格最低点が高かったことです。昨年2019年度入試における男子の合格最低点は、適性・作文の合計113点。女子は128点でした。一方、今年2020年度入試における男子の合格最低点は、合計140点。女子は142点でした。男子は最低点が27点、女子は12点上昇しています。考えられる理由としては、解きやすい問題が多かったことがあげられます。例年だと、答えが1通りではない問題が多いですが、今年は1通りしかない問題が多かったように思います。また、特筆すべきほどの難しい問題はなかったことも最低点が上昇した原因かと思われます。

そのなかで、合格点を取るためにどうすれば良いのかを考えてみました。

授業の中で、宿題の解答解説をする際には、生徒たちに答えを発表させながら、授業を進めています。一通り、生徒たちの意見を聞いたあと、解説をしていきます。最後まで、模範解答は教えません。もちろん、宿題がわからないときや、的からずれた答えを発表する生徒もいます。そのときは、生徒たちに質問したり、ヒントを与えたりして、答えを生徒自らで出していく方法をとっています。その方が生徒たちの学力は伸びていきます。

これまでは、一問一問に時間をかけて、その単元の問題を理解していく形でしたが、来年度は一問一問を大切にしながらも、もっと「浅く広く」さまざまなパターンの問題に触れさせていこうと計画しています。

また、入試において重要なのが、「ミスをしないこと」です。入試算数・数学の鉄則は、みんなが解ける問題を間違えないことです。もちろんスピードも大切ですが、優先順位としては、「丁寧に・正確に・早く」です。

算数力についても問われています。例年、大問4は規則性や図形の問題が出題されています。簡単に解ける問題から、思考力が問われる問題まで幅広い問題が出題されています。 しかし、授業中にわからないことがでてくる生徒もいるでしょう。授業中に質問できればそれにこしたことはないのですが、質問するタイミングを逃すことや、恥ずかしくて聞けなかったなどあると思います。そのようなときは、「訂正ノート」を使って下さい。訂正ノートは、間違えた問題を自宅でやり直しをするためのノートですが、質問コーナーを作り、そこにその日にわからなかったことを書いて提出して下さい。

例えば、Aさんは内気な生徒でした。なかなか授業中や休み時間に質問ができず、訂正ノートに授業中に疑問に思ったことや、質問をたくさん書いてきてくれました。こちらは「読んだらわかる」ようにと、詳しい解説を書いて返してあげました。さながら、交換日記のように、毎週のように提出してくれました。そして、見事合格をつかみ取ったのです。

Bさんは、「やり直しの鬼」のような生徒でした。授業が終わったその日に自宅でやり直しをして、わからないことがあれば、次の通塾時に必ず質問に来ました。この生徒は、「教えてもらったすぐはできるけど、家に帰って自分一人でできるのか。」ということをしつこく実践した生徒です。このBさんも、見事合格をつかみ取りました。

やはり、「わからないことをそのままにしない」ことは合格するためには非常に重要な要素だと思われます。

1人でも多くの生徒たちが、諫早附属中学校に合格できるよう、今後とも精一杯努力していきます。