合格への道

塾長 久保 元治

諫高附属中に合格するために

 今年も諫高附属中の倍率は2.5倍の狭き門でした。久保塾全体では135名受けて64名(4名の追加合格を含む)合格しました。2.1倍です。

 この結果を踏まえ、合格への道を探りたいと思います。検定試験は適性検査130点、作文70点の合計200満点です。適性検査対策で当塾が力を入れていることは「訂正ノート」です。夏期講座で授業とは別にこの訂正ノートを作る時間を設けました。なかなか家で復習しない生徒にとっては良かったと思います。実際の検定試験でも過去問とよく似た問題が出されます。授業をよく聞き、訂正ノートで解き方が理解できていれば類似問題は解けるわけです。毎年のように出ている「割合の問題」やよく出される「環境の問題」では訂正ノートで完全に理解しておくと、正答できます。

 この訂正ノートには授業中質問できなかったことを書いて、先生にノートに解説を書いてもらうという役目もあります。家でこの訂正ノートを作っている時に、聞きたいことがあって、質問コーナーに書いておけば、次回先生が答えを書いて返却してくれるというわけです。今年も例年効果がある適性検査の訂正ノートのチェックに力を入れました。各校の先生方は季節講座、土曜講座でかなりの時間をかけて、一人一人にコメントを書き念入りに添削していました。その効果が結果に反映されていると思います。やはり合格した生徒たちはこの訂正ノートをまめに提出していました。

 次に作文です。私は大村校で作文を担当しましたのでその指導体験の報告をさせていただきます。今年も諫高附属中の当塾合格者の最高点は60点でした。70点満点なのに昨年も今年も最高点は60点でした。この60点を取った生徒はたくさんいますし、受験者したほとんどの生徒(合格した生徒ではありません)が59点か60点を取りました。模擬テストで毎回完璧に近い点数を取った生徒でも本番は59点でした。その反面、いつもはあまり高得点を取っていない生徒も入試では57点から60点でした。つまり、作文ではあまり差がつかないということです。要は適性です。適性で合否が決まります。

 話を作文に戻します。夏期講座で昨年までと同じように、書き上げた生徒から順に持ってきてもらいその場で添削していたら、数日に一度しか出さない生徒がいました。毎時間出す生徒もいて、その差が大きかったので、土曜、冬期講座では本番と同じ45分の時間を計って全員に出してもらいました。最初は生徒も戸惑い、最低文字の500字を書けない生徒もいました。しかし3回目にはほぼ全員が指定された500字~600字を書けるようになりました。作文の時間が終わってから空き時間や家で採点・添削して次の時間に返しました。正直なところ、採点基準を決めていても最初と最後では採点にばらつきがあり、最後に見直してつけ直しました。全員分集めて採点して返しました。すると生徒たちも自分の答案が毎回採点されて帰ってくるので点数が気になり、少しでも良い点を取るようにより真剣に取り組み始めました。また、誤字、脱字、重複表現、敬体・常体の不統一が甚だしい場合やグラフの読み取りまちがいをした場合は書き直して再提出してもらいました。

 最初から合格作文を書ける子は少ないです。要は練習です。文は書けば書くだけ上手になります。普段の授業から書く練習をしてもらっています。作文指導した諫早本校の先生は自ら模範となる作文を書き、生徒に配布しました。これは生徒のやる気を引き出す効果があったと思われます。

次に面接です。生徒たちから聞き取った結果です。今年は「受験番号」「志望の理由」「学校の総合的な学習の時間に取り組んだ事」以外に次のことを聞かれました。

Q「世界にはたくさんの人たちがいます。あなたが世界中の人々が仲良くなるためにできることは何ですか。机の上の紙に鉛筆で大きく濃い字で書いて、それをこちらに見せながら理由とともに説明して下さい。考える時間は30秒です。」

 次に受験対策の勉強を始める時期です。やはり早くから入塾した生徒が多く合格しています。附属中に合格した64名中52名の成績がわかっていますが、52名中30名の生徒が小5までに入塾しています。残り22名のうち21名が小6の夏期講座までに入塾しています。小6の9月以降入塾した生徒は1名しかいませんでした。やはり早くから対策の勉強を始めた方が有利です。

 ところで何点取れば諫高附属中に合格できるのでしょうか。当塾の受験生135名中72名が試験結果を教えてくれました。今年も男女で合格最低点が違いました。124点で合格した男子がいる反面、130点で不合格になった女子生徒がいました。全受験生295名に対して当塾生の占める割合は46%なのではっきりしたことは言えませんが、128点で合格した女子がいますからこの128点が女子の合格最低点だと推測できます。男子の合格最低点が124点だと推測されますから男女で4点の差がある、ということになります。当塾に結果を教えてくれた生徒だけで考えても、男子の合格最低点(124点)以上の点数を取り不合格になった女子生徒が6人います。この男女差はそれぞれ60名の定員を設けている長崎県の教育委員会の方針が原因です。昨年も男女で合格最低点が違いました。来年度からは男女同数の定員を見直すとの報道がありました。この報道通り、性別で合格点が違うという不平等はなくなってほしいものです。 以上「合格への道」と題して私なりに合格するための条件や当塾の指導方針を書いてみました。